日本最古の歴史書「古事記」をご存知ですか?712年に完成したこの神秘的な書物には、日本の神話や天皇家のルーツが詰まっています。難しそうに感じる古事記ですが、実は私たちの文化や考え方にも深く関わる魅力的なストーリーがいっぱい!
稗田阿礼という天才的な記憶力の持ち主が全て暗記し、太安万侶がまとめたという驚きの成立過程から、イザナギ・イザナミによる日本列島誕生の物語まで、古事記の世界をわかりやすくご紹介します。
神話好きな方も、歴史に興味がある方も、ぜひ一緒に古事記の世界へ旅してみましょう
古事記ってどんな本?
古事記は日本最古の歴史書として知られています。
和銅5年(西暦712年)に完成した貴重な書物です。
天武天皇のご命令を受けた稗田阿礼(ひえだのあれ)という人が内容を全部暗記し、それを太安万侶(おおのやすまろ)がまとめて書き上げました。
元明天皇に正月28日に献上されたとされていますよ。
稗田阿礼って誰?
稗田阿礼は当時28歳の超聡明な人物だったと伝えられています。
天武天皇に見出され、天皇家の物語と系譜を全て暗記するという大役を任されました。
頭の良さはもちろん、記憶力もとてもすごかったのでしょうね。
太安万侶の役割
阿礼が暗記した内容をまとめて文字にしたのが太安万侶です。
元明天皇から直接命令を受け、帝紀(てんのみことのふみ)と旧辞(ふるごと)の内容を整理して古事記として完成させました。
暗記された内容から重要な歴史書を作り上げた、すごい文筆家だったといえますね。
古事記が作られた理由とは?
古事記が作られることになったのには、いくつかの理由がありました。
記録を正しく残すため
天武天皇は、多くの氏族が持っている「帝紀」と「本辞」に虚偽が混じっていることを心配していました。
このままでは何年も経たないうちに真実が失われてしまうと危惧し、正しい歴史を記録する必要があったのです。
天皇の権威を高めるため
古事記が作られた背景には、天武天皇の時代に起きた壬申の乱による混乱がありました。
国内情勢が不安定だったため、天皇の権威を回復して正当性を主張する必要があったのです。
各地に伝わる神話などを用いて、天皇が日本の統治者であることを民衆に伝えるという意図もあったとされています。
古事記に描かれる日本の始まり
古事記には日本の始まりについての神話も記されています。
美しくも不思議な物語は今も多くの人を魅了しています。
神々の誕生
最初に世界は天と地に分かれ、天上世界から神々が現れました。
まず天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、神産巣日神(かみむすびのかみ)の三柱の神が現れます。
その後も次々と神々が誕生し、合わせて七代の神々が現れました。
イザナギとイザナミの物語
天の神々から、伊耶那岐神(いざなぎのかみ)と伊耶那美神(いざなみのかみ)の二柱に「この漂っている国を整えてしっかりと作り固めよ」という命令が下されました。
二人は天の御柱を左右から回りながら出会い、結婚して最初の子供・水蛭子(ひるこ)を産みました。
しかし、この子は葦船に乗せて流してしまいます。
次に淡島(あわしま)が生まれましたが、これも正式な子供として数えられませんでした。
日本列島の誕生
天の神々に相談した二神は、伊耶那岐神から先に声をかけるようにとのアドバイスを受けます。
そして淡路島、四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡島、本州を生み出しました。
これらを合わせて「大八島国(おおやしまくに)」と呼び、日本列島の誕生とされています。
まとめ
古事記は単なる歴史書ではなく、日本の神話や文化の源流を知る上でとても大切な書物です。
712年に完成したこの本には、神々の誕生から日本列島の形成、さらには天皇家の起源まで、日本の成り立ちに関する貴重な物語が記されています。
天武天皇の構想から始まり、稗田阿礼の驚異的な記憶力と太安万侶の編纂によって完成した古事記。
日本人のルーツを知る旅に出かけてみませんか?
古代の神々の物語を通して、新たな日本の魅力を発見できるかもしれませんよ♡